カローラは、1966年の誕生以来、日本のみならず世界各国で販売されているトヨタを代表するモデルです。今回は、カローラシリーズの人気モデルであるツーリングやフィールダーを含む「ワゴン」に焦点を当て、その歴史や進化、現行モデルとして販売されているカローラ ツーリングとカローラ フィールダーの特徴や違い、現行モデルのカスタム方法などを解説します。
カローラ ワゴンの歴史とツーリングとフィールダーの違いなどを解説!

歴代カローラ ワゴンの歴史
1966年の登場から現在まで販売され続けているカローラのワゴンモデルはいつ誕生したのでしょうか。まず、カローラ ワゴンの歴史を簡単に紹介します。
1982年初代カローラ ワゴン登場

カローラにワゴンモデルが登場したのは4代目カローラ発売から3年後の1982年です。
ビジネスシーンだけでなく、レジャーにも使えるマルチユースのモデルとして登場しました。カローラ ワゴンは、「時代の変化に応じた価値を創造し続ける」というカローラのコンセプトを具現化したモデルとなっています。

その後、1987年に2代目、1991年に3代目カローラ ワゴンが発売され、カローラの定番モデルとなっていきました。
カローラ ワゴンの後継モデルとなる「フィールダー」の登場

カローラ ワゴンに転機が訪れたのは、9代目が登場した2000年のことです。9代目カローラは、これまでの保守的なデザインを一新し、流麗でモダンな印象へと生まれ変わりました。
新しくなったカローラ ワゴンは、「カローラ フィールダー」に名称を変更。新しいカローラ ワゴンとしてのスタートを切りました。
ちなみに、新しいカローラ ワゴンの名称「フィールダー(FIELDER)」は、フィールドに出て遊ぶ人(のためのクルマ)の意味を持たせた造語です。
カローラ フィールダーは、ミディアムクラスに匹敵する室内スペース、クラスを超えた高い品質を実現すると同時に、全高を高くしながらも背の高さを感じさせない流麗で永続性のあるスタイリングが特徴となっています。

その後、2006年に2代目、2012年に3代目カローラ フィールダーが発売され、カローラシリーズのワゴンモデルとして確固たる地位を確立していきました。また、世代を重ねるたびに、伸びやかなスタイルとワゴンとしての利便性を高めていったのも特徴です。
走りと乗り心地が進化しカスタムも楽しめる「カローラ ツーリング」登場

カローラ ワゴンがカローラ フィールダーとなってから19年後となる2019年、カローラのワゴンは「カローラ ツーリング」となりました。
カローラ ツーリングでは、TNGAに基づいたグローバル共通プラットフォームを採用し、スポーティなデザインとクルマ本来の走る喜びを追求しながら、取り回しの良さなどを日本の環境に合わせた専用ボディとして登場。また、新しいプラットフォームの採用により、フラットな乗り心地、優れた操縦安定性、高い静粛性を実現していることも特徴です。さらに、カローラ ツーリングをはじめとするカローラ シリーズでは、メーカーオプションやディーラーオプションで選ぶことができないカスタムを楽しめるのも魅力となっています。
フィールダーとツーリングの違いは、カローラ フィールダーが日本の市場環境にベストフィットするコンパクト車として開発されているのに対し、カローラ ツーリングはグローバルモデルを日本市場に合わせる形で作られたという点です。

このように、カローラ ワゴンは、ビジネスシーンでも使えるマルチユースのモデルから日本国内の道路環境に合わせたワゴン(フィールダー)へ進化した後、グローバル市場を視野に入れたスタイリングや走行性能を持つワゴン(ツーリング)になりました。
なお、カローラ ツーリングが発売されてからも、5ナンバーサイズのカローラ フィールダーは設定グレードや一部の装備を見直し、法人を含めた幅広いニーズにも対応するため、引き続き販売されています。
カローラ ツーリングとカローラ フィールダーの違いとは?

販売が続いているカローラ ツーリングとカローラ フィールダーの違いをまとめて紹介します。
カローラ ツーリングとカローラ フィールダーの違い | ||
カローラ ツーリング | カローラ フィールダー | |
デザイン | シンプルでスポーティなデザイン | アクティブでスタイリッシュなデザイン |
ナンバー区分 | 3ナンバー | 5ナンバー |
乗車定員 | 5名 | 5名 |
ラゲージルーム容量 | 通常時392L(最大802L) | 通常時413L(最大872L) |
ラゲージ寸法(通常時) | 長さ930mm×幅1,464mm×高さ655〜755mm | 長さ970mm×幅1,510mm×高さ735mm |
シートアレンジ | 後席6:4分割可倒式 | 後席6:4分割可倒式 |
カローラ フィールダーとカローラ ツーリングでは、上記のような違いがあります。
日常使いから休日のレジャーまで幅広く対応したいのであれば、スポーティなスタイリングとグローバルモデルとしての走りが特徴のワゴン「カローラ ツーリング」がおすすめです。
日常使いが多く、日本の道路事情に合うワゴンを探しているのであれば「カローラ フィールダー」がおすすめといえるでしょう。
カローラ ツーリングのラインアップと主要スペック

カローラ ツーリングのラインアップと主要スペックを紹介します。
カローラ ツーリングのグレードと価格 | |||
パワートレーン | グレード | 駆動方式 | 価格(税込) |
ハイブリッド車 | W×B | 2WD(前輪駆動) | 291万8,300円 |
G | 268万4,800円 | ||
X | 249万8,600円 | ||
W×B | 4WD(E-Four) | 311万6,300円 | |
G | 288万2,800円 | ||
X | 269万6,600円 | ||
ガソリン車 | W×B | 2WD(前輪駆動) | 256万8,300円 |
G | 233万4,800円 | ||
X | 210万8,600円 |
カローラ ツーリングの主要スペックは以下のとおりです。
カローラ ツーリングの主要スペック | ||
ハイブリッド車 | ガソリン車 | |
全長(mm) | 4,495 | |
全幅(mm) | 1,745 | |
全高(mm) | 1,460 | |
ホイールベース(mm) | 2,640 | |
最小回転半径(m) | 5.0〜5.3 | |
乗車定員(名) | 5 | |
エンジン | 1.8L直列4気筒ハイブリッド | 1.5L直列3気筒ガソリン |
最高出力 | 72kW(98ps)/5,200rpm | 88kW(120ps)/6,600rpm |
最大トルク | 142Nm(14.5kgm)/3,600rpm | 145Nm(14.8kgm)/4,800~5,200rpm |
フロントモーター最高出力 | 70kW(95ps) | - |
フロントモーター最大トルク | 185Nm(18.9kgm) | - |
リヤモーター最高出力 | 30kW(41ps)※E-Four | - |
リヤモーター最大トルク | 84Nm(8.6kgm)※E-Four | - |
駆動方式 | 2WD(前輪駆動)/4WD(E-Four) | 2WD(前輪駆動) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | Direct Shift-CVT (ギヤ機構付自動無段変速機) |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | |
燃料タンク容量(L) | 43 | 47 |
WLTCモード燃費(km/L) | 24.9〜29.5 | 17.8〜19.1 |
カローラ フィールダーのラインアップと主要スペック

カローラ フィールダーのラインアップと主要スペックを紹介します。
カローラ フィールダーのグレードと価格 | |||
パワートレーン | グレード | 駆動方式 | 価格(税込) |
ハイブリッド車 | EX | 2WD | 235万9,000円 |
ガソリン車 | 2WD(CVT) | 191万5,700円 | |
2WD(5速MT) | 178万6,400円 | ||
4WD(CVT) | 205万9,800円 |
カローラ フィールダーの主要スペックは以下のとおりです。
カローラ フィールダーの主要スペック | ||
ハイブリッド車 | ガソリン車 | |
全長(mm) | 4,400 | |
全幅(mm) | 1,695 | |
全高(mm) | 1,475(ガソリン車4WDは1,500) | |
ホイールベース(mm) | 2,600 | |
最小回転半径(m) | 4.9 | |
乗車定員(名) | 5 | |
エンジン | 1.5L直列4気筒ハイブリッド | 1.5L直列4気筒ガソリン |
最高出力 | 54kW(74ps)/4,800rpm | 2WD:80kW(109ps)/6,000rpm 4WD:76kW(103ps)/6,000rpm |
最大トルク | 111Nm(11.3kgm)/3,600〜4,400rpm | 2WD(CVT): 136Nm(13.9kgm)/4,400rpm 2WD(5速MT): 138Nm(14.1kgm)/4,400rpm 4WD:132Nm(13.5kgm)/4,400rpm |
フロントモーター最高出力 | 45kW(61ps) | - |
フロントモーター最大トルク | 169kW(17.2kgm) | - |
駆動方式 | 2WD(前輪駆動) | 2WD/4WD |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | Super CVT-i/5速MT |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | |
燃料タンク容量(L) | 36 | 42 |
WLTCモード燃費(km/L) | 27.8 | 15.6〜19.8 |
さまざまなニーズに応えるカローラのワゴンモデル

カローラ ツーリングやカローラ フィールダーを含むカローラ ワゴンは、ステーションワゴンならではのボディスタイルを活かした利便性が特徴のモデルです。
これまでの進化の歴史からもわかるように、カローラ ワゴンは時代のニーズやユーザーの要望に応えてきたことから、使う人に寄り添っているモデルといえるでしょう。そのため、乗用車として利用できるだけでなく、荷物をたくさん載せたいシーンや遠出するシーンなどにも最適です。