
アクセルの踏み間違い事故の実態

アクセルの踏み間違いによる事故は、ブレーキペダルを踏もうとした場面で発生することが多いです。
例えば、ブレーキペダルから足を離した状態(クリープ現象)で進みながら駐車場の空きスペースを探しているときやアクセルペダルから足を離して惰性で進んでいるときなどに発生します。
つまり、踏み間違い事故はアクセルペダルに足を構えた状態であるもののアクセルペダルを踏み込むことなくクルマを進めている状態からブレーキペダルを踏もうとしたときに誤ってアクセルペダルを踏み込んでしまい発生する事故だといえるでしょう。
その他にも、駐車券を取るときや通行料の支払いするとき、後退(バック)時に振り返って後方を目視確認しているときなど、運転姿勢を崩したときにペダルから足がズレてアクセルを踏み込んでしまい、急発進・急加速してしまい事故になるというパターンもあります。
このようなアクセルの踏み間違い事故は、ブレーキペダルに足を乗せた状態を基本の足の構えにしておくと防ぐことができるでしょう。
そのため、惰性で進んでいるときやクリープ現象で進んでいるときは、ブレーキペダルに足を構えておき、必要なときにアクセルペダルに踏み換えるという操作を身に着けておくことが事故を防ぐ第一歩といえます。
アクセルの踏み間違い防止策を自動車教習所の元教官が解説

アクセルの踏み間違いによる急加速や事故を防ぐためには、ドライビングポジションや基本となるペダルの構えを見直すことがポイントです。
ドライビングポジションを見直し、改めて正しい運転姿勢をとることで、上半身を動かしたときに、踏み込んだペダルから足を離れにくくすることができます。
例えば、足を伸ばさなければペダルが踏み込めないようなドライビングポジションになっていると、上半身を左右へ動かしたときに、ペダルから足が離れてしまう可能性があります。ペダルから足が離れないようにするためにも、座席の前後位置、背もたれの角度、座面の高さなどを体型に合ったポジションにしておくことが大切です。
また、基本の足の構えをブレーキペダルにしておくことで、誤ってアクセルペダルを踏み込んでしまう可能性を低くすることができます。そのため、適切なドライビングポジションを取るとともに、基本となる足の構えをブレーキペダルにしておくことが、アクセルの踏み間違い事故を防止する方法といえるでしょう。
アクセルの踏み間違いを防止する「急発進制御装置」

アクセルの踏み間違いによる急加速や事故を防止する方法には、「急発進制御装置」もあります。
この装置は、運転支援システムや予防安全装置の一部として多くのクルマに採用されていることから急速に普及しました。
ただし、あくまでも運転を支援する機能の一部であるため、どのような場面でも作動するとは限りません。また、運転支援システムや安全装置のバージョンによって、機能の限界や精度が異なります。よって、「急発進制御装置」を過信してはなりません。システムが装備されていても運転者が運転しているという自覚と責任を持ち続けることが重要です。
安心安全の運転を実現するプラスサポート用スマートキー

運転支援システムをはじめとする先進的な機能は、動作環境が整って初めて正常に作動します。そのため、本当に急加速を抑制したいときに運転支援システムが作動しない可能性があります。
このようなときに役立つのが、「プラスサポート用スマートキー」です。
トヨタのプラスサポート用スマートキーとは?
プラスサポート用スマートキーは、トヨタ自動車が今お乗りのクルマにプラスできる安全機能として設定している急アクセル時加速抑制機能始動専用キーです。
この専用キーでドアを解錠するだけでプラスサポート(急アクセル時加速抑制)を始動させることができます。
プラスサポートは、障害物の有無にかかわらず、アクセルの踏みすぎや踏み間違いを検知するとクルマの加速を抑制する機能です。システムが作動すると警報ブザーとマルチインフォメーションディスプレイ表示でドライバーに注意喚起します。また、右左折などウインカーレバーを操作する場面ではプラスサポートが一時的に解除され、通常通りの加速ができます。
1件でも多くの悲惨な交通事項を減らしたい(企画開発担当者の思い)
トヨタ自動車株式会社でプラスサポート用スマートキーの担当である、自動運転・先進安全開発部上撫氏*に、商品にかける思いを伺った。
※所属部署等はインタビュー当時のもの
悲惨な事故を減らしたい

これまでトヨタ自動車は、ドライバーのペダル踏み間違い事故対策として、車両前後に障害物がある場合、ドライバーがアクセルペダルを踏んでも加速を抑制およびブレーキ制御によって、衝突回避を支援する機能を開発・展開してきました。ただし、このシステムが作動するのは、車両前後に障害物がある場合に限られます。
一方で車両前後に障害物がない状態で踏み間違いにより事故に至る事例も多く、何か別のアプローチのシステムを開発しなければ、と強く思っておりました。そこで、ビッグデータを解析し踏み間違い時のドライバー操作の傾向を探すというアプローチに取り組み、新たなペダル踏み間違い事故対策システム「プラスサポート」を開発しました。

機能としては、一定の条件を満たした状態でドライバーが急アクセル操作をした場合、車両が踏み間違いであると判定し、警報ブザーとディスプレイ表示でドライバーに注意喚起するとともに加速を抑制します。
プラスサポートキーは標準装備の通常キーではなく「プラスサポート用スマートキー」を使って開錠・始動します。センサーによる障害物の検知ではなく、ドライバーの操作のみで踏み間違い判定するのが、これまでのシステムとの違いです。
新車としてプリウスを購入されるときだけでなく、プリウスをご購入された後でもプラスサポートを追加いただける商品設計にしました。1人でも多くのドライバーの方にご利用いただき、1件でも多くの悲惨な事故が減ることを願っています。
>>プラスサポート用スマートキーの詳細はこちら
プラスサポート用スマートキー使用時の注意点
プラスサポート用スマートキーを使用した場合、ウインカーレバーを操作せずに右左折や車線変更したり、ブレーキを踏まない状態(ブレーキホールドでの停車中含む)から発進したりするとシステムが作動することがあります。
このような場合は、一度アクセルを離してゆっくり踏みなおすと加速することができます。
このようにプラスサポート用スマートキーは、アクセル操作に対してシステムが介入する仕組みとなっているため、運転支援システムと合わせて使うことで、これまで以上に急加速による事故を防げる可能性が高くなるといえるでしょう。
詳しい使い方や作動の条件などは、取扱説明書も併せて確認してみてください。
なお、プラスサポート用スマートキーの対応車種は、2024年8月時点でアクア、プリウス、ランドクルーザー300、ランドクルーザー250、クラウン(クロスオーバー)、クラウン(スポーツ)、クラウン(セダン)、MIRAI、ヤリス、ヤリスクロス、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、ノア、シエンタ、カローラ、カローラツーリング、カローラクロス、bZ4X、センチュリーと、多くの車種で設定されています。
プラスサポート用スマートキーの注文から設定までの流れ

プラスサポート用スマートキーは、KINTO FACTORYで申込みすることができます。
注文から設定までの流れは次の2ステップです。
- KINTO FACTORYで対象車種のプラスサポート用スマートキーを申し込む
- 申込時に指定したトヨタ販売店で設定作業
この2ステップでプラスサポート用スマートキーを利用することができます。
なお、KINTO FACTORYで取り扱っているプラスサポート用スマートキーについてはKINTO FACTORYウェブサイトから車種ページへ進み、ラインアップをご確認ください。
トヨタ公式のアップグレードサービス「KINTO FACTORY」

トヨタ公式のアップグレードサービスを展開する「KINTO FACTORY」では、純正パーツを使ったアップグレードやリフレッシュ、パーソナライズを提供しています。
ステアリング(ハンドル)の交換、安全機能のアップグレードや機能の拡張、内装やメーター表示の変更、ホイールキャップの交換などができるため、クルマの機能を向上させたりリフレッシュしたりすることができます。
また、純正パーツを使っているだけでなく、メーカー保証も付帯するため、不明点や不具合が発生したときにトヨタの販売店に相談できたり、保証を受けられたりするのも特徴です。
KINTO FACTORYの利用方法
KINTO FACTORYとは、既に購入されユーザーが保有している車の安全装備や便利機能を最新化し、これまで後付けができなかった新車工場装着のメーカーオプションを後付けすることができるサービスです。その他にも「86 REFRESH サービス」のように低年式多走行により経年劣化した機能や、内装をリフレッシュ、リフォームするサービスも展開しています。
トヨタ、レクサス、GRのブランドを展開しており、その全てがトヨタ自動車のメーカー品質で提供されメーカー保証が付帯します(※)。申し込みはKINTO FACTORYのWEBサイトから24時間でき、夜間や販売店の定休日なども申し込みが可能です。WEBサイトで申し込みを行い部品手配が完了した後、指定した販売店に車両を持ち込み施工する流れとなります。メーカー純正部品で施工することに加え、レクサス販売店の整備品質で施工できるので安心です。
※車種ごと、商品ごとに保証期間、保証内容が異なります
「KINTO FACTORY」を運営するKINTOはメインの事業がサブスクリプションの提供ですが、「KINTO FACTORY」はKINTOで契約したサブスク車両以外の車も施工可能です。
サービス対象車種はこちらからご確認いただけます。
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