2024.07.31 UP

クルマに蓄えた電気を利用する「V2X」や「V2H」とは?概要や対象車を解説

災害が多い日本では、災害時のライフライン(電気・ガス・水道)の復旧までの時間が生活や命に影響します。特にインターネットやスマートフォン、家電製品など電気を使用する機器は、情報収集したり連絡を取ったり、飲食するためになくてはならない存在です。

そのため、災害時に電気が使えない事態にならないようにするために、クルマを蓄電池として利用しようと考える方も増えてきました。

本記事では、クルマを蓄電池として利用する際のキーワードである「V2X」や「V2H」がどのような意味なのか解説します。また、非常時に役立つトヨタ車や今所有しているクルマに給電システムを取り付ける方法についても紹介していますので、クルマ選びをするときや防災対策をするときの参考にしてみてください。

トヨタバナー.jpg

クルマを蓄電池として利用するときのキーワード「V2X」や「V2H」とは?

外部給電イメージ

クルマで発生させたり蓄えたりした電力を使用するときのキーワードとして必ずと言っていいほど耳にするのが「V2X」や「V2H」といった言葉です。この言葉はどのような意味なのでしょうか。まずは、それぞれの言葉の意味を解説します。

 

クルマと通信して連携する「V2X」とは?

「V2X」とは「Vehicle to Everything」の略称で、「クルマと何か」を意味する言葉です。

一般的にV2Xは、クルマと何かを通信によって繋ぐ連携技術のことを指します。そのため、V2Xにはさまざまな連携先があります。主な連携先は次の4点です。

  • V2V:Vehicle to Vehicle(自動車と自動車)
  • V2I:Vehicle to Infrastructure(自動車とインフラ設備)
  • V2P:Vehicle to Pedestrian(自動車と歩行者)
  • V2N:Vehicle to Network(自動車とネットワーク機器)

このようにクルマと連携することで、自動運転や渋滞緩和など、さまざまな交通問題が解決すると期待されています。

 

クルマと家をつなげる「V2H」とは?

V2Hとは、Vehicle to Homeの略称で、「クルマと家の接続」を意味しています。クルマと家をつなげることで、クルマに蓄えた電力を家庭の電気として使えるようになるため、災害や停電したときに役立ちます。クルマと家の接続という意味があることからも、V2HはV2Xの1つといえるでしょう。

 

他にもある「V2X」

「V2X」には、クルマとの連携や家に電力を供給する他に、家電製品に直接電力を供給する「V2L(Vehicle to Load)」やクルマに蓄えられた電力をインフラとして利用する「V2G(Vehicle to Grid)」などがあります。

 

外部給電で何日分の電力が賄えるの?

災害地での給電

外部給電ができるクルマは、何日分の電力を賄うことができるのでしょうか。ここでは、EVのbZ4XとHEV・PHEVをラインアップしているプリウスの外部給電供給時間を比較してみましょう。

外部給電時間比較表
bZ4X約3.5日(満充電/400W消費時)
プリウス(1.8L車)約4.5日(ガソリン満タン/消費電力400W時)
プリウス(2.0L車)約5.0日(ガソリン満タン/消費電力400W時)
プリウス PHEV約5.5日(満充電・ガソリン満タン/消費電力400W時)

EV・HEV・PHEVで外部給電時間を比較すると、大容量バッテリーを搭載するEV、エンジンとバッテリーを搭載するHEV、HEVモデルよりも大きいバッテリーを搭載するPHEVの順に時間が長くなっていきます。

このような結果となったのは、EVはバッテリーに蓄えられている電力を消費してしまったら給電がストップしてしまうのに対し、HEVやPHEVはバッテリー残量が減るとエンジンを始動させて給電を継続するHV給電モードが備わっているためです。

この比較だけを見ると、「EVよりHEVやPHEVの方がいいかもしれない」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、災害時のライフラインの中では電気の復旧が早い場合が多いことから、約3日以上の電力を賄うことができれば十分だといえるでしょう。

2011年3月に発生した東日本大震災では、停電が復旧するまでにかかった時間が約3日〜約3ヶ月。東北電力管内の約80%が約3日で復旧し、完全復旧までに約3ヶ月の時間がかかりました。

このようなことからも、最低でも3日以上の電力を賄うことができれば災害時も役立つといえるでしょう。

 

トヨタの外部給電

ヴィークルパワーコネクター

トヨタのクルマから家に給電する場合は、アクセサリーコンセントやヴィークルパワーコネクターを使ってから給電します。パワーユニットのタイプごとの給電方法は次のとおりです。

◆HEV・FCEVの場合:非常時給電システムを利用してアクセサリーコンセントから給電

◆PHEVの場合:AC外部給電システムを利用してヴィークルパワーコネクターの車外コンセントから給電

このように、パワーユニットのタイプによって給電方法が異なるため、クルマから給電する際は取扱説明書で給電方法について確認しておくようにしましょう。

 

トヨタV2X対象車

外部給電アタッチメント

トヨタでは、V2Xの対象車を数多く取り揃えています。V2X対象車や設定は次のとおりです。

トヨタの外部給電対応車

車種対象設定外部給電システム
アクア全車標準装備アクセサリーコンセント
カローラスポーツハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
ヤリスハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
アルファードハイブリッド全車標準装備アクセサリーコンセント
ヴェルファイアハイブリッド全車標準装備アクセサリーコンセント
ヴォクシーハイブリッド全車一部グレードに標準装備、一部グレードにメーカーオプションアクセサリーコンセント
シエンタハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
ノアハイブリッド全車一部グレードに標準装備、一部グレードにメーカーオプションアクセサリーコンセント
カローラハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
クラウン全車標準装備アクセサリーコンセント
プリウス(HEV)ハイブリッド全車標準装備アクセサリーコンセント
プリウス(PHEV)プラグインハイブリッド車標準装備

アクセサリーコンセント、AC外部給電システム

(ヴィークルパワーコネクター)

MIRAIZ“Executive Package”、Z、 G“Executive Package” 、 G“A Package”、G

標準装備

※Advanced Drive設定グレードはクルマde給電設定不可

アクセサリーコンセント
カローラツーリングハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
カローラ クロスハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
クラウン(クロスオーバー)全車標準装備アクセサリーコンセント
クラウン(スポーツ)HEVハイブリッド全車標準装備アクセサリーコンセント
クラウン(スポーツ)PHEVプラグインハイブリッド車標準装備

アクセサリーコンセント、AC外部給電システム

(ヴィークルパワーコネクター)

ハリアー(HEV)ハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
ハリアー(PHEV)プラグインハイブリッド車標準装備

AC外部給電システム

(ヴィークルパワーコネクター)

bZ4X全車標準装備アクセサリーコンセント
ヤリス クロスハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
RAIZEハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
RAV4(HEV)ハイブリッド全車メーカーオプションアクセサリーコンセント
RAV4(PHEV)プラグインハイブリッド車標準装備

AC外部給電システム

(ヴィークルパワーコネクター)

センチュリー全車標準装備

アクセサリーコンセント、AC外部給電システム

(ヴィークルパワーコネクター)

外部給電システムが標準装備のモデルもありますが、メーカーオプション設定となっているクルマもあります。もし購入後に、防災対策としてアクセサリーコンセントを後付けたい場合、どのようにしたらよいのでしょうか。

 

アクセサリーコンセントの後付けができるKINTO FACTORY!

1500Wアクセサリーコンセント

アクセサリーコンセントは、停電時や災害時だけでなく、外出時の電源供給としても役立つ便利なアイテムです。トヨタ車のユーザーの中には、「メーカーオプションを選んでおけばよかった」と思っている方もいるのではないでしょうか。そのような時は、KINTO FACTORYの後付けアクセサリーコンセントを取り付けることをおすすめします。

KINTO FACTORYの後付けアクセサリーコンセントは、メーカー純正パーツを使用しているため、安心して取り付けることができます。また、価格には部品代・工賃・保証が含まれているため、取り付ける際に取り付け費用を別途請求される心配もありません。

災害が多い日本だからこそ備えておきたいクルマの給電機能を後付けするならKINTO FACTORYで取り付けましょう。

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