トヨタの人気モデルでハイブリッドカーの代名詞でもある「プリウス」。モデルチェンジのたびに走行性能や環境性能などの基本性能を向上し、進化し続けるハイブリッドカーとして、日本国内にとどまらず世界各国で人気のモデルです。
今回は、2015年に発売された50系プリウスのカスタムやトヨタ自動車が、50系プリウス保有者向けに新たに開発した走行性能をさらに進化させるアップグレードアイテムについて解説します。今お乗りのプリウスの走りを進化させたいと考えている方や中古車で50系プリウスを購入してカスタムを楽しもうと考えている方など、50系プリウスを所有または中古車を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
トヨタ50系プリウスは、2015年から2022年まで販売されていた4代目で、発売当初からエアロパーツやドレスアップパーツ、ボディ剛性を強化するパーツなどが純正品として用意されていました。
また、50系プリウスデビュー後には、社外品のカスタムパーツや剛性強化パーツなども数多く登場しています。ここからは、50系プリウスに用意されていた主なカスタムパーツの一部を紹介します。
トヨタ50系プリウスのエアロパーツやドレスアップパーツは、車両の前後・左右に取り付けるスポイラーやスカートをはじめ、ホイール、メッキのアクセントパーツ、ガーニッシュなどです。
これらのパーツは、トヨタ純正・モデリスタ・TRDといった純正パーツの他に、社外品（アフターパーツメーカー）のアイテムもあります。
エアロパーツやドレスアップパーツは、気軽に個性的なクルマに仕上げることができるため、人気があるだけでなく種類も豊富です。
50系プリウスが販売されていた当時のカスタムパーツ（オプション）の一部を紹介します。
【MODELLISTA UP-GRADE STYLE】
【MODELLISTA ICONIC STYLE】
など
トヨタ50系プリウスのチューニング系パーツは、ボディ剛性を強化させるブレースやボディの微振動を吸収するダンパー、空力性能を向上させるフィンやガーニッシュ、サスペンションなどです。チューニング系パーツもトヨタ純正のカスタマイズパーツの他に、社外品パーツもあります。
50系プリウスのカスタムパーツ（オプション）として用意されていたチューニング系アイテムの一部を紹介します。
【TRD】
など
2023年のフルモデルチェンジにより、その歴史に幕を閉じた50系プリウス。販売終了から一年以上の時を経て、トヨタ自動車が新たに走行性能を進化させるカスタムパーツを発売したと聞いて驚いた。その名も「士別フィン」。「士別」と聞いてピンとくる方は少ないであろう。
「士別フィン」の名は、北海道士別市にあるトヨタ自動車の士別試験場で研究、開発されたことに由来する。全国にあるトヨタ自動車のテストコースの中でも士別試験場のテストコースの直線路は全長４㎞と東洋一の規模を誇る。「士別フィン」は、そのテストコースを車両技術開発主査自らが走り込み、研究、開発されたトヨタ自動車のくるまづくりへの思いが込められたカスタムパーツなのである。
今回KINTO FACTORYの新アイテムとして追加される「士別フィン」とは、操縦安定性と空気力学の理論を使った、車自身がまっすぐ進む力「自己直進性」を高めるカスタムパーツです。それをたった3ミリの「フィン」をプリウスの車体底面に貼り付けるだけで実現しています。
車両をリフトアップし、計16枚のフィンを所定の位置に貼り付けます。
「フィン」と聞くと、トヨタ純正カスタムパーツや社外品に用意されている空力アイテム、各モデルに純正装着されているエアロスタビライジングフィンなどを思い出す人も多いでしょう。似たようなアイテムではあるものの、オプションとしてラインアップされていたりクルマに装着されていたりするフィンとは異なる効果を発揮する点も「士別フィン」の特徴となっています。
「士別フィン」は、車体周辺に発生する空気の渦や乱れによる変動をより小さくする効果があるカスタムパーツです。空気の渦や乱れによる変動を小さくすることで、車体が受ける変動力を小さくすることになり、走行が安定し、思っている方向へクルマが走るようになり、修正舵を最小限に抑えることができます。
修正舵とは、コーナリング中などに、ハンドルを切り足したり戻したりして、ハンドルの切れ角を微調整することです。
修正舵を最小限に抑えられると、運転操作が楽になるだけでなく、横揺れやふらつきが少なくなるため、運転がうまくなったような感覚になると同時に乗り心地も向上します。又、車体が受ける変動力を小さくするので、直進時の乗り心地も向上します。つまり、同乗者にも優しい走りを簡単に実現できるということです。
目に見えない空気という流体の流れを整える「士別フィン」は、エアロパーツなどと同じように、どれほどの効果があるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
「士別フィン」の効果は、棒に付けられた旗が動く様子や風に靡（なび）く旗の動き、旗が動くことによって棒に伝わる振動を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
例えば、横に長い大きい旗が取り付けられている棒を手に持って立っているとしましょう。その時に風が吹くと、風によって旗が靡き、一方から吹いている風であっても旗が左右へバタバタと振られます。また、旗が靡くと同時に手に持っている棒にゆっくりとした大きな振動や風によって煽られた旗の動きが伝わります。さらに、風が強なるほど手に伝わる振動や煽りも強くなるでしょう。
では、旗の長さを変えずに、幅を細く裁断したらどうなるでしょうか。同じ旗の靡きでも、左右への振り幅が分散され、持ち手の棒に伝わる振動が微細に緩和されて、風に煽られにくくなります。
つまり、空気を細く分散して流すことで、大きな変動を緩和する事により、左右へ振られる力の増幅を防ぐことができ、車体周辺に発生する空気の渦や乱れによって車体が受ける空気の力が小さくなって、操縦安定性が向上するということです。
トヨタ自動車による走行テストにおいて、車の安定を乱しているのは横方向や駒の回転と同じ方向に発生する、１秒に１回以下の非常にゆっくりとしたゆれだという事が判明しました。そしてこの横方向や回転方向のゆれは、車両周りで発生するゆっくりで大きな空気の渦によって、左右で圧力差が生まれる事が大きな要因の１つということが研究により解明されています。
このゆっくりとした大きな左右変動渦を床下に配置した「士別フィン」で小さな渦群の流れに変換して大きな渦変動を緩和するのが役割です。
「士別フィン」の理論は論文にもまとめられています。もっと詳しく理論を知りたい方論文を確認すると理解が深まるでしょう。
この1秒に1回以下のゆれというのは、体で感じるような揺れでもなく、従来自動車業界ではあまり研究されていなかった分野。そこに目を付けて解明したことが、今回の研究開発に大きな意義です。
また0.1Hzレベルの微細な変動を精度良く把握する為には、その一桁下である0.01Hzのレベルの揺れを計測する事が必要になります。例えば0.01Hzだと100秒に1回の揺れなので、時速100kmで走った場合、1回の揺れを測定するのには約3kmの直線が必要になります。4kmの直線があるテストコースを持つ士別試験場だから、研究することができたとも言えます。
ここで紹介した「士別フィン」の効果は、生活道路や日常のちょっとしたドライブでも体感することができます。そのため、運転中の修正舵が多いと感じたり、走行中のふらつきが気になっていたりする方は、KINTO FACTORYで「士別フィン」を取り付けてみるとよいでしょう。
「士別フィン」の取り付けは、KINTO FACTORYのホームページから対象車種のページへ進み、アイテムを選択し、施工が可能かどうか適合確認をした後に申し込みとなります。
詳しくは、こちらのページで流れをご確認ください。
KINTO FACTORYのアップグレードメニューに加わった「士別フィン」は、走りにこだわる方はもちろん、運転中の修正舵の多さやふらつきが気になっている方におすすめのカスタムパーツです。
空気の流れを整える「士別フィン」を取り付ければ、走りの質感が向上し、操縦安定性や乗り心地などが改善するため、より上質なクルマになった感覚になるでしょう。運転中のふらつきや走りの安定性が気になっている方は、この機会に「士別フィン」を試してみてはいかがでしょうか。
士別フィンについて詳しくは、こちらのページをご確認ください。