本記事では、ブラインドスポットモニターについて解説します。まずはブラインドスポットモニターの概要から説明しましょう。

本記事では、ブラインドスポットモニターについて解説します。まずはブラインドスポットモニターの概要から説明しましょう。


ブラインドスポットモニターとは、走行中に後側方レーダーセンサーにより隣の車線を走行する車両をレーダーで検知し、死角エリアに車両があればドアミラーインジケーターが点灯してドライバーに検知を知らせる機能です。装着していると安心な安全装備のひとつでしょう。
運転中のドライバーは、いろいろな視覚情報を瞬時に判断しなければなりません。周囲の状況は刻々と変化するなか、右左折時や車線変更時の周囲確認の時間も限られます。ブラインドスポットモニターは常に後側方をモニターしているため、死角になっていて確認できないエリアの確認にも役立ち、事故の発生を防ぐ手助けをしてくれます。
後側方の離れた位置から死角へ高速で急接近してくる車両は、サイドミラーの確認だけでは視認が難しい場合があります。ブラインドスポットモニターはそういった車両もセンサーで検知し、接近を知らせてくれるので安心です。
ブラインドスポットモニターは、ボディに搭載されている後側方レーダーセンサーで車両を検知します。まずは、検知範囲について、ハリアーのブラインドスポットモニターを例に見ていきましょう。
ドアミラーの死角領域(詳しくは後述)に車両を検知したとき、または後方からその死角領域に急速に接近してくる車両を検知した時は、検知した側のドアミラーインジケーター(LEDライト)が点灯します。また、検知した側に方向指示レバーを操作している場合は、ドアミラーインジケーターが点滅します。

※ブラインドスポットモニターで検知できる車両(参照:ハリアー取扱説明書)
ブラインドスポットモニターで検知できる車両を解説します。(A)自車の近くを並走しているドアミラーに映らない車両を検知してドアミラーインジケーターで知らせてくれるほか、(B)ドアミラーには映らない後側方から死角へ急接近してくる車両も検知して知らせてくれます。

※ブラインドスポットモニターで検知できる範囲(参照:ハリアー取扱説明書)
検知範囲を具体的に記すと上記画像のようになります。A、B、Cの領域に車両を検知した場合、点灯・点滅して車両がいることを知らせてくれます。
A、D(車両側面から約0.5~3.5m、リヤバンパー後方3~60mの領域)の範囲で車両を検知した場合、自車と他車の速度差に応じて点灯・点滅をして車両がいることを知らせてくれます。速度差が大きいほど危険なので、より遠くからインジケーターが点灯・点滅して危険を知らせてくれるというわけです。
また、後方(真後ろ)から接近する車両に関しても後側方レーダーを使って検知し、接近した場合はマルチインフォメーションディスプレイ表示やブザーで知らせる「後方車両接近告知」、追突される可能性が高い場合はハザードランプを高速点滅させて後方車両に注意喚起する「後方車両への接近警報」という機能もあります。
ブラインドスポットモニター動作の様子は、詳しくはこちらの動画をご覧ください。

リヤクロストラフィックアラートとは、後退時にリヤバンパー内側にあるレーダーセンサーにより、自車の右後方または左後方から接近している車両を検知し、ドアミラーのインジケーターとブザーによってその車両の存在を運転者に知らせます。
と覚えておくといいでしょう。

リヤクロストラフィックアラートは、駐車時などの後退時リヤバンパー内側にあるレーダーセンサーにより、自車の右後方または左後方から接近している車両を検知し、ドアミラーのインジケーターとブザーによってその車両の存在を運転者に知らせる機能です。
トヨタのパーキングサポートブレーキは、このリヤクロストラフィックアラート機能に加えて「衝突の危険性がある場合は自動でブレーキ制御を行うことで接近車両との衝突被害軽減を支援する」機能が付いています。
ブラインドスポットモニターは標準装備されている、またはメーカーオプションで車両購入前に取り付けるのが基本です。あとから取り付けたい人のために、ブラインドスポットモニターの社外製(非純正品)後付けキットが販売されています。トヨタ車の一部はトヨタ公式アップグレードサービスにて純正品のブラインドスポットモニターが後付け可能です。
※クルマ関連の製品を購入する際によく聞く社外製・社外品とは、その自動車を作ったメーカー以外が作った部品のことを指します
対応車種が多いことがメリットです。ドアミラーにインジケーターをセットする車種専用タイプのほか、Aピラーにインジケーターをセットする汎用タイプなど、さまざまな製品が販売されています。
自動車メーカーが、その車種に合わせて開発したブラインドスポットモニターを装着できるため、性能面で安心感が高いのがメリットです。社外品と比べて取り付けが綺麗というのもポイントです。
トヨタ公式アップグレードサービスでブラインドスポットモニターを後付けする場合、トヨタ公式アップグレードサービ取扱い販売店舗に車両を持ち込み、施工を行います。実際の施工の様子を取材してきたので紹介します。
ハリアーにブラインドスポットモニターを取り付けていきます。まずはリヤバンパーを外します。

リヤバンパーを外したら、ブラインドスポットモニター用のセンサーを取り付けていきます。

配線を通し、センサーを指定の場所に取り付けます。

そのほか、サイドミラーの配線の変更、ミラー交換といった作業も行います。取り付けが完了したら、バンパーを元に戻します。
装着後、マルチインフォメーションディスプレイを見るとブラインドスポットモニターの機能がON/OFFできることが確認できました。

※ステアリングのボタンでON/OFFが可能なのも、トヨタ公式アップグレードサービスでブラインドスポットモニターを後付けするメリットのひとつでしょう
装着後は正しく動作するよう、テストのほか、軸調整などを行います。

サイドミラーのインジケーターが点灯することを確認。正しく動作しました。

※今回インタビューに応じてくれたトヨタ自動車、柴田さん
A:これまでトヨタ公式アップグレードサービスでは、WEBサイト上で今後拡大を期待する車種やアイテムを募集していたのですが、その中でもご要望の多かった車種がハリアーでした。ブラインドスポットモニターは特にご要望が多く2023年2月14日に商品化されました。
A:メーカー純正部品を、トヨタの技術力を持ったプロが施工するので安心です。そして優れた機能をご提供できます。メーカーオプションと全く同じ機能なので、例えばデザイン面では車両にバランス良く組み込まれることで後付け感なく利用でき、機能面では安心と安全を追求した機能を活用できます。また、メーカー保証も付帯されますので安心してご利用いただけると思います。
A:メーカーオプションと全く同じ機能を得るため、開発者や設計者と一緒になって後付けメニューの開発を行いました。トヨタの厳しい評価に耐えうる取り付け方や、後付けした部品が車両の他の機能に影響を及ぼすことがないかなど、様々な検証を繰り返しております。トヨタのクルマを熟知したメンバーが集まったからこそ作ることができたメニューだと思います。
2023年2月8日現在、トヨタ車でブラインドスポットモニター搭載車種は27車種になります。具体的な車種は、下記リンクからご覧ください。
トヨタ ― ブラインドスポットモニター搭載車種
ブラインドスポットモニターは付いていると安心な安全装備のひとつ。新車を購入する際は、ブラインドスポットモニターが付いている車種を選ぶことをおすすめします。ブラインドスポットモニターは後付けが可能ですが、後付けするのであればトヨタ公式アップグレードサービスで純正品を装着すると安心です。メーカーオプションの後付けや運転支援システムなどの車のソフトウェアを最新にアップグレードする「アップグレード」のほか、内装や外装のリフレッシュ/再生ができる「リフォーム」、ドライバーに合わせて車を進化させる「パーソナライズ」の3つのメニューを提供しています。トヨタ車オーナーであればどなたでも利用可能です。
2025年12月現在、下記2車種で展開しています。
アルファード・ヴェルファイア(2015~2023):後付けブラインドスポットモニター+リヤクロストラフィックアラート

カローラクロス:後付けブラインドスポットモニター+パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)

今後のトヨタ公式アップグレードサービスのラインアップ拡大にご期待ください。
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