
士別フィンの「士別」とは?
「士別」は、トヨタ自動車の試験場がある北海道の地名です。 冬はマイナス30度以下にもなり、一晩で数十センチも雪が積もる厳しい環境に、トヨタ自動車は東京ドーム約200個分930ヘクタールの広大な試験場を置き、40年以上にわたって技術を鍛えてきました。 この士別試験場ではその厳しい環境と広大な敷地を生かして、「寒冷地性能テスト」と「超高速走行性能テスト」を行っております。
時速250kmを超える超高速走行性能テストを行う一周10kmの第1周回路は4kmの直線路を有しており、その直線路は地球の丸みのため中央部が両端より24cm高くなっています。 この4kmの直線路こそ、「士別フィン」を生み出すきっかけとなった0.01Hzのレベルの揺れが観測された場所であり、士別試験場無くして士別フィンは開発され得ませんでした。
施工内容
フィンを車両底面の19箇所へ貼り付けます。
フィン形状
貼り付け位置 (全19箇所) ※車両の仕様や装備品によって貼り付け位置が異なります
士別フィンで手に入る “3つの安定性”
車両底面に士別フィンを後付けするだけで車両の下や後方の気流が整い、走行安定性が向上し運転性能がアップします
カーブ走行時
直進走行時
(横風等)外乱時
安定性が手に入る “3つのポイント”
- POINT 01
安定を乱す正体は、1秒に1回以下のゆれ
求める安定性を乱しているのは、“ゆれ”として体感できる1秒に1回以上のゆれではなく、“ぶれ・ゆらぎ”のように感じる1秒に1回以下の“ゆっくりとしたゆれ”であることが判明しました。
- POINT 02
「ゆっくりとしたゆれ」の原因は車両後方左右の大きな気圧差
“ゆっくりとしたゆれ”は(路面外乱によるものだけでなく)、車両周りで発生する空気流の乱れが、大きな渦を引き起こし、車両後方の左右に大きな気圧差ができる事が大きな要因という事が分かりました。
- POINT 03
左右の気圧差を解消できるのが士別フィン!
士別フィンは車両周りの大きな渦のエネルギーを小さな渦群のエネルギーに変換する事で、車両後方の気圧左右差を小さくして安定性を確保します。
開発者インタビュー
トヨタ自動車株式会社 クルマ開発センター車両技術開発部 主査(士別試験場在籍)
堀之内 克年
開発のきっかけは何だったんでしょうか
「もっといいクルマをつくろう」という言葉を体現するため、「運動性が良い」と言われる車を、欧州の道を含めいろいろな道を何度も何度も運転しながら研究していたことがありました。その中で、「運動性能が良い」と言われる車には、車両の動きがいつも収まるところが一定で、結果的にステアリングも同じところに収まり、安定するポイント(車両のニュートラル)があることに気がつきました。これはいったい何なんだろう?そんな発見と疑問が、開発のきっかけです。
解明できたのでしょうか?
まず、この車の安定を乱しているのは、横方向や駒の回転と同じ方向に発生する、1秒に1回以下の非常にゆっくりとしたゆれだという事が分かりました。そしてこの横方向や回転方向のゆれは、車両周りで発生するゆっくりで大きな空気の渦によって、左右で圧力差が生まれる事が大きな要因の1つと分かりました。 このゆっくりとした大きな左右変動渦を、床下に配置したフィンで小さな渦群の流れに変換して、大きな渦変動を緩和するのが士別フィンの役割です。
なぜ開発できたのでしょうか
1Hz以下の揺れというのは、体で感じるような揺れでもないので、従来自動車業界ではあまり研究されていなかった分野です。そこに目を付けて解明したことが、今回の研究開発における大きな意義です。 また0.1Hzレベルの変動を精度良く把握する為には、その一桁下である0.01Hzのレベルの揺れを計測する事が必要になってきます。例えば0.01Hzだと100秒に1回の揺れなので、時速100kmで走った場合、1回の揺れを測定するのには約3kmの直線が必要になります。北海道士別市に、4kmの直線があるテストコースを持つトヨタだから、研究することができたとも言えます。
士別フィン

保証
3年または6万km
シート状のフィン(縦40mm、横80mm、厚さ3mm(台座部分を含めると4mm)ほど)を、車両の底面へ19枚貼り付けることにより、走行安定性のアップグレードを実現します。 トヨタのメーカー保証が付くことに加え、取付をKINTO FACTORY取扱いトヨタ販売店で行うため、安全、安心にお使いいただけます。 KINTO FACTORYのWEBサイトからお申込みいただくことで、取付工賃込みの専用価格にてご提供いたします(※価格は、税込、部品代、工賃込み)。